コロナ禍が原因??税理士の研修受講義務達成率が激減した訳

日本税理士会連合会が発行する機関誌「税理士界」の1406号によると

税理士に課されている36時間以上の研修受講義務の達成者は

令和2年度で4万8495人で、受講義務達成率は61.6%

(前年より7.1%減)と激減したそうです。

当会研修部の考察によると、激減した原因の一つは、

コロナ禍により「会場参加方式」での

開催が困難になったからだそうです。

わたしは、コロナ禍で研修がZOOMなどのリモート方式や

動画受講に移行されたことで、受講が手軽に出来るようになり、

受講率はアップすると考えていました。

結果として激減した事実に、衝撃を受けました。

大部分の税理士はリモート対応が苦手?

「会場参加方式」による研修が開催されないと、

受講率が下がるのはなぜなのでしょうか?

登録税理士の平均年齢は60歳を超えると言われています。

税理士の多数派を占める年配の税理士の方々は、

研修といえば会場に赴いて受講するものという概念があって、

リモート参加は良しとしないのでしょうか?

また、パソコンなど、ITを使うこと自体に拒絶反応を示すのでしょうか?

気持ちが分からなくもない

わたしも50代となって、頭も固くなったせいもあり、

研修のリモート参加という新しい手法に抵抗感を

持つ気持ちもわかります。

前回のブログの記事でも、

研修の会場参加のメリットについて書きましたし…。

会場参加ですと、皆がいる緊張感があって、

「研修受けてるなぁ」という実感もあります。

また、会場で他の税理士仲間と顔を合わせて

おしゃべり出来るのも心の刺激になったりします。

一方、リモート参加は、味気ない感じがしますし、

何より眠くなって研修内容が頭に入りにくいです。

これが、60歳を過ぎた年配の税理士だと、

さらにそのような傾向が大きいのかと思われます。

世代交代が進めば減少傾向も解消される?

私よりも若いIT世代の税理士の方々は、

研修が現地参加からリモート参加や動画受講に

移行していったことの抵抗感は少なく、

むしろ喜ばしいことと感じているのかもしれません。

彼らは効率性を重視し、また、明確な目的無しに人と顔を合わせる

煩わしさや無意味を感じていると思われます。

税理士の世代交代が進めば、研修のリモート参加や動画受講に対する

抵抗感がある人も減って、受講率は上がるかもしれません。

まとめ

税理士研修の「会場参加方式」がコロナ禍で

出来なくなったことにより研修受講義務達成率が

激減したことについての想いを書かせて頂きました。

世の中がIT化へと進むことに抵抗感がある一方で、

ITをもっと勉強して使いこなしたいという願望もある。

そんな矛盾の中で、もがいている

アナログ世代でもIT世代でもない税理士の想いでした。

編集後記

先週4日間、近隣の病院で入院してました。

骨折した鎖骨をつないでいた金属プレートの除去手術が

無事に終えることができてホッとしています。

入院時は病院の食事が唯一の楽しみでした。