今はハラハラドキドキよりも平穏な働き方がいい
僕が社会人になって働き始めてから25年以上が経ちました。
この間に働き方について日本社会の価値観がじわじわと変わり始め、
コロナ禍によって急速に変化しました。
社会人になったばかりのときの価値観は「会社第一主義」「仕事命」「猛烈社員」的なもので、
自分もその価値観に影響を受け、必死に合わせようとしてました。
今は、より個々の人生を大切にしようとする価値観に変わってきており、
自分自身としても今の価値観の方が性に合っているような気がします。
20代の頃はハラハラドキドキを求めた
平成6年に大学を卒業後、メーカーに就職し営業職として4年半勤めました。
その会社の営業はルートセールスといって、顧客は大口の法人で固定化されており
営業マンが自ら新規顧客を開拓することは求められませんでした。
その会社で働いて3年も経つと仕事にも慣れ、業務内容に変化もないので刺激を感じられず、
このまま、定年までここで働いてよいものだろうか?と疑問に感じていました。
20代だったその頃の僕は、「自分はこのままでは終わらない。もっと刺激的な仕事に
就いてガンガン働きビックになる!」と野望を持ってました。
結局、そのような動機で会社を退職することになったのですが、
今考えると、その会社で定年まで平穏に働くのも悪くなかったのではないかと思います。
当時なぜ、そんなに刺激や変化を求めたのかというと、それは自分が若くて活力にみなぎって
いたこともありますが、当時の日本社会の価値観や風潮に流され染まっていたことも
要因と言えます。
90年代当時は24時間働くのが、カッコ良く美徳だった
自分がサラリーマンとして働き始めた1990年代は、残業したり、仕事が早く終わっても
アフターファイブとして仕事仲間と遅くまで飲み歩いたりするのが普通でした。
というか、残業したり遅くまで飲み歩いたりしたことを翌日に、会社のみんなに自慢してたりもしていました。
当時、栄養ドリンクのテレビCMでは「24時間働けますか?」や、疲れていても「大丈V」など、
ガンガン働きガンガン遊ぶことが美徳と、心に刷り込まれていたように思えます。
又、90年代のテレビドラマの代表作である「東京ラブストーリー」の登場人物たちをみても、
仕事と恋愛で忙しく、殆ど寝ていないことが分かります。
この価値観の裏返しとして、「平凡、平穏、公務員=つまらない、ダサイ」だったような気がします。
今は、何もトラブルがなく一日が終わることに充実感
最近のテレビドラマで人気となった「半沢直樹」は、主人公が働く証券会社や銀行で
色々なトラブルに巻き込まれながらも、それに負けじとガンガン攻めて、
そこを乗り越えて逆転し、出世街道を登っていく内容のものでした。
この働き方は、90年代の猛烈社員を思い起こします。
視聴者としては、色々トラブルがあってハラハラドキドキした方が面白いです。
しかしだからといって、自分が半沢直樹と同じような環境の中で仕事をしたり、
同じような働き方をしたいかいうと、そうは思いません。
今の自分の税理士事務所の仕事でいうと、税務署からの問い合わせの電話や
顧問先からのトラブル相談などもなく、一日が順調に終わると、ホッとして、
その平穏、平凡さに充実感を覚えます。
仕事が終わってからも、外でみんなでワイワイ飲み歩くことも殆ど無く、
自宅でプライベートの時間を過ごす日が多いです。
これは、コロナ禍で働き方の考え方が変わってきたことに影響されたから
でもありますが、自分の性格上、今の働き方を求めていた気もします。
それにしても、時の流れとともに、社会の価値観や常識がこんなにも
変わることを経験し、正直ビックリしています。