達成感や充実感はそこへたどり着くまでの過程で不安や苦悩がないとやってこない。確定申告が山場となって気づいたこと

税理士として独立してからの確定申告の仕事は今年で4回目となります。

以前に会計事務所に雇われていた時、確定申告作業が終わった瞬間は

何とも言えない達成感と充実感がありました。

しかし、独立してからはそのような感覚はあまり感じられません。

どうしてでしょうか?

雇われていたときは期限に間に合うかで憔悴

会計事務所に雇われていた時は、確定申告作業の開始直前に

誰がどのお客様の申告書を作成するか所長が決めて割り振られました。

私に割り振らる数は毎年前年を上回り、その量は毎日残業しても

申告期限の3月15日までに終わるかどうか分からない程でした。

ですから、もし間に合わなかったらどうしようと不安で

仕事を切り上げて自宅で寝ている間も、夢の中で確定申告作業を

しているほど追い込まれてました。

必死に仕事をした後の達成感・充実感

しかし、人間追い込まれると、潜在意識が働くのか分かりませんが、

自分の予想以上に次々と申告書を仕上げることができました。

そして、申告期限の3月15日の午後11時頃には何とか割り振らた

最後の申告書を完成することができました。

当時は電子申告の導入前だったので、最後の申告書は

タクシーに乗って税務署まで行き、時間外収受箱に投函して、

その年の確定申告作業が完了というパターンでした。

投函後、待たせてあるタクシーに再び乗ってそのまま帰宅。

その家路へ向かうタクシーの中で、胸から込み上げる達成感と充実感は

これまでの仕事で味わったことがない程でした。

このときいわゆる脳内麻薬みたいなものが大量に分泌されたのだと思います。

当時、確定申告作業の最中は、不安と憂鬱に満ちたものでしたが、

終わってみるとなぜかとてもいい思い出になってます。

その作業終了直後は、また来年もやってみてもいいかなぁと。

いわゆる確定申告中毒なるものでしょうか…。

今は不安になるほどの数の確定申告を請け負わない

その後税理士として独立してからの確定申告は、申告期限に間に合うかどうか

ギリギリ一杯いまでの数を請け負っていません。

他の従業員もいない独り作業ですから、万一自分が作業ができない事態が

起きると怖いので、多少余裕をもってやっています。

ですから、申告期限までに終わらないのではという不安や焦りはなく、

また、夜中に夢の中で確定申告作業をやっているようなことも無くなりなした。

しかし、雇われていた当時の最後の申告書を完成させたときの、

あの達成感や充実感は味わえなくなりました。

不安や苦しみの後に達成感・充実感はやってくる

このようなに、不安や苦しみが大きければ大きいほど、

その後の達成感や充実感も大きくなることを体感しました。

だからといって、大きな達成感などを得たいがために、あえて不安や苦しみが大きくなる

状況を自ら作りだしたいかというと、「そこまでやりたくない」というのが正直なところです。

雇われていた当時の状況まで自分を追い込むのはやり過ぎですし危険でもあります、

先程述べた通り、期限に間に合わなくてお客様に迷惑を掛ける可能性もあります。

極端な負荷では、自分の心身にもお客様にも害を及ぼすので、

小さな達成感を感じられるぐらいの負荷を掛ければよいのかと思います。

その、程良い負荷というのは、難しいさじ加減ですが。

編集後記

スポーツの世界で、不安や苦しみ後に大きな達成感・充実感を

味わえる代表的なものとしてフルマラソンが頭に浮かびます。

それにしても、一般市民がどうして寿命を縮じめる程つらい

この競技に参加したがるのかと疑問に思うことがあります。

その理由は私が経験した確定申告作業のように、フルマラソンも

完走したときの達成感や充実感が物凄いからと予想されます。

脳内麻薬の分泌も半端ないのものなのでしょう。

なお、私も過去一度だけフルマラソンに参加したことがあります。

そのときはほぼ歩きでしたので、不安や苦しみなどはそれほどでもはなく、

達成感・充実感もそれほどではありませんでした…。