もう一度税理士試験を受けなさいと言われたら?多分やらない?いや、やりたくても出来ない。

仮に今ある税理士資格が無効になって、

もう一度、税理士試験や大学院に通わないと

税理士に復帰できないとしたら?

もう一度チャレンジするか?

多分やらないと思います。

というより、いくら意気込んでやろうとしても、続かないでしょう…。

かつて税理士になることがゴールだった。今はモチベーションが弱い。

私が税理士受験生の時は、税理士への憧れがとても強かったです。

勤めていた税理士事務所の所長が、

自分の好きな時間に事務所を出入りしたり、

思うがままに事務所経営をしているのを見ていいなぁと。

しかも、それでいて所得が事務所内でダントツ一番だったりと、

税理士は自由でいい身分だなぁと羨ましく思ってました。

(正直に言えば、ああいう風には、なりたくないという面も多少ありました…。)

ですから、私自身も税理士になって思うがままに仕事がしたいと、

税理士になることをゴールとして、それをモチベーションに試験勉強に励んでいました。

しかし、いざ自身が税理士になると、そんなに甘くないことが分かりました。

仕事の最終責任が自分にあるという重圧や、日々の資金繰りの不安など、

いい事ばかりではないのです。(自由に仕事ができるメリットを一度経験すると、

もう雇われの身には戻れないので、税理士になれたことは良かったです)

また、税理士になることはゴールではなく、そこからどういう税理士になりたいのかを

ビジョンを持ってコツコツ積み上げていくスタートラインであることにも気付きました。

よって、今はかつてのような税理士への強い憧れはなく、

それをモチベーションに再び勉強しなさいと言われても、無理です。

年齢的な面も否定できない。

「やりたいことをするのに年齢は関係ない」という文言を自己啓発本などで、よく目にします。

あのケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の創業者カーネルサンダースも

65歳の時にKFCのフランチャイズビジネスで起業したといいます。

税理士に関しても、なりたいと心から思うなら年齢に関係なく挑戦すればいいと思います。

しかし、税理士資格を得るのには、かなりの時間を要します。

その時間が私の場合、当初5年と見込んでいましたが、結局12年掛かりました。

私の今の年齢は52歳ですが、取得に10年以上掛かるかもしれない資格に再度挑戦するかどうか?

正直、もうそんな気力は残っていません。

皆さんが同じ立場なら挑戦しますか?

なお、税理士資格を取ること自体を趣味や生きがいとして勉強するのであれば、

年齢に関係なく、チャレンジしてみてもよいと思います。

スピード重視の試験に対応できるか?

税理士試験の簿記論は、解くべき問題と

解くと時間を消耗してドツボにハマる、手をつけてはいけない問題とがあります。

その判断能力は年齢に関係なく勉強量で身につけることができます。

その能力が身につけば、速く解ける能力がなくても合格できるチャンスはあります。

しかし消費税法のように、試験問題のボリュームが多く、

しかも、解かなくてよい問題がほぼない科目もあります。

そのような科目は、どれだけ速く解けるかが勝負となります。

このスピード力は、体力と同じで年齢とともに衰えていきます。

天性のスピード力がある人は、年齢による衰えさえもカバーできて

合格を勝ち取ることができるかもしれません。

ですが、私のような凡人は若い受験生のスピード力には、

もう太刀打ちできないでしょう。

無理と思った時点で、もう勝負は決まっている。

ここまで色々と述べてきましたが、

私のように税理士資格にもう一度チャレンジすることについて

出来ない言い訳をあれこれ述べている時点で、

もうダメだと思います。

これは、再チャレンジの場合のみでなく、

初めて税理士資格にチャレンジするか迷っている方にも言えるでしょう。

出来ない言い訳を考えている時点で、

あれこれ考えず、税理士になる夢に向かって

がむしゃらに勉強する受験生には勝てないからです。

編集後記

5月ももう少しで終わりですね。

10月開始のインボイス制度も

すぐに来そうで憂鬱です。