AIの導入で仕事時間は減るのか?雇い主は減るかもしれないが、雇われ側は減らない
AIといえば、最近急激にユーザ数を増やしているChatGPTが話題ですね。
今後さらにAIが進歩して社会に普及していけば、
今まで人間によって処理されてきた仕事の多くを
AIが代わりにやってくれると予想されます。
では、AIによって人間の働く時間が減って仕事が楽になるのでしょうか?
私は、その逆で仕事の余裕が増々無くなると考えています。
目次
今までテクノロジーの進歩を見てきたが仕事時間は減らなかった
今まで私が生きてきた間だけでも、色々なテクノロジーの進歩を実体験してきました。
ハードウエアの進歩(PC・スマホの普及やインターネットなどの高速通信インフラの普及など)や
ソフトウェアの進歩(製販管理システム、文書作成や計算ソフトなどの進化、使い易すいOSの台頭など)。
では、これらの進歩や普及によって働く時間が減り、仕事が楽になったかというと、そうではありませんでした。
例えば、私が新卒サラリーマンの頃、ちょうどパソコンが1人に1台づつ使えるようになりました。
当時、パソコンが普及して効率化が進めば、仕事時間も減って人は楽になるだろうと噂されていました。
しかしふたを開けてみると、例えば1日8時間労働が6時間に減るなどということはありませんでした。
それどころか、パソコンのお陰で早く処理ができるようになると、
その結果の余った時間で、他の得意先の仕事が追加されたり、別の業務が増えたりしました。
気付けば、仕事が楽になるどころか、仕事の数と密度が増して反って激務になっていたのです。
さらに数年経つと、移動用のノートパソコンも1人1台支給されました。
それまで仕事の出張などの移動時間は、心身を休める貴重な時間でしたが、
ノートパソコンを常時持ち運びするようになると、
移動時間もパソコンを使って仕事せざるを得ず、束の間の休憩が取れなくなりました。
さら2000年以降インターネットというテクノロジーが発達すると、
増々いつでもどこでも仕事ができる環境になりました。
この進歩はもちろん、メリットも沢山あります。
しかし、仕事の拘束時間中、いつでもどこでも仕事ができるということは、
従業員にとっては、一息つく暇も許されないということでもあります。
経営者や雇い主の仕事時間は減るかもしれない
会社の所有者や経営者、あるいは雇い主・個人事業者など
仕事の拘束時間という概念がない働き手に限っては、テクノロジーが発達すれば、
そのテクノロジーによる仕事の効率化により、仕事を減らすという
選択ができるかもしれません。
雇われる側の仕事時間が減ることは期待できない
しかし、会社に雇われる側の従業員は、仕事の拘束時間が一定時間決まっています。
テクノロジーの進歩によって、今まで行っていた業務が8時間から6時間でできるようになっても、
それで、「今日の私の業務は終わりましたので、これにて帰ります!」とはならないのです。
現実としては、上司から「おお、終わったか、それじゃー、次はこれお願いね!」
という風に仕事を追加されるのが落ちです。
テクノロジーの進歩で無職と激務の二極化が進む?
ある仕事の業務がAIなどのテクノロジーの導入で短時間で終わらせることができるようになると、
その分、複数人でやらなければならなかった業務が少数でできるようになります。
すると経営者は、その業務に携わる部署の新規雇用を減らしたり、既存従業員のリストラを考えます。
決して、従業員みんなの労働時間を減らして早く帰らせようとはしないのです。
同じ賃金を払うのであれば、利益を最大化するために拘束時間中はみっちり働いてほしいからです。
その結果、テクノロジーを上手く使いこなせない人々は就職や転職が難しく、無職のままかもしれません。
一方、巧みにテクノロジーを使いこなし、雇用を確保・維持できた人達も安心はできません。
そのテクノロジーによる効率化で、今まで以上に過密な労働環境で働かなければならないからです。
編集後記
先日単発のお客様より会計ソフトの操作方法のご相談があり、
使用されているソフトは弥生とのことでした。
てっきり、弥生会計か、やよいの青色申告と思ったのですが、
実際にソフトを見せてもらうと、やよいの青色申告オンラインでした。
このクラウドソフト、画面も操作方法も、弥生のインストールタイプとは
全く別物で、戸惑いと焦りを感じました。