意外と使える!税務署の「確定申告の手引き」

年末に税務署に行って令和元年分の「所得税及び復興特別税の確定申告の手引き」(無料)を頂いてきました。

この冊子は、わざわざ税務署に取りに行かなくても、年明けから順次納税者に郵送されます。

なぜこの手引書きを入手しに行ったのかというと、税理士が行う確定申告無料相談会や国税局電話相談に、わたしも今年参加することが決まったのがキッカケです。

納税者が、この手引書を読んで分からなかったことを相談会等で質問されることが多いと聞いてたので、

どれだけ分かりずらいのか、正月休みにじっくり読んで確認したかったのです。

勤務時代はほとんど読まなかった

会計事務所に勤務していたときは、事務所から税務研究会出版局が毎年出版する「所得税 確定申告の手引」という分厚い本が配布されました。

こちらの手引書は細かい点もきちんと説明された1,000ページ以上の本です。わたしの場合、確定申告の業務上、不明な点があったときは、その本で大抵のことは解決できました。

ですから、税務署から納税者に郵送される手引書は、一応手元には置いてましたが、ほとんど使ってませんでした。

意外と分かり易い!

税務署の手引書は約40ページちょっとの冊子です。自分が使っていた上記の税務研究会の本と比べて、あまりにもページが少な過ぎるので、正直手引書といえるレベルではないだろうと思ってました。

しかし数ページ読んでみると、ポイントをちゃんと押さえていて、確定申告について一通り理解できるようになってました。

税理士である私でも、この冊子であやふやな点が明らかになったり、知らなかったこともあったりと目から鱗でした。例えば、還付の場合、ゆうちょ銀行に振り込んでほしいときは、銀行名の記入不要で口座番号のみ記載など…恥ずかしながら知りませんでした。

内容からすると、表紙で重要な改正点のお知らせから始まり、申告手続きの流れ、確定申告とは何か、確定申告が必要な人、記載例、手順1~6へと概要から詳細まできちんと説明されてます。

詳細でいうと、例えば計算欄では、「Aにはこの金額、Bにはこの金額」と具体的に数字を当てはめて、差し引きした金額を確定申告書第一表の〇欄に転記してくださいと表付きで個々に説明されてます。

読んでない方は、騙されたと思って数ページだけでも一度読んでみてください。「おぉー」ってなると思います。

複雑なものは「詳しくはウェブで」で逃げる

この冊子を読み進んでいるうちに、住宅ローン控除の適用要件など複雑なものの説明はどうなっているのかな?と思ってました。

チェックすると、複雑な内容ついてはやはり、40ページほどの冊子の制限上、国税庁の「HP参照」として逃げてました。

このへんからして、基本中の基本のマニュアルとしての良書と考えた方がいいと思います。

それでも拒否反応を起こす人はいるかも

この税務署の手引きは、表紙に「配偶者控除が変わりました」から始まり、税の専門用語がいきなりバーンと出てくるので、確定申告をやったことがない人、特にお年寄りの方であれば、読む前から「こんなの読めない!」となってしまうかもしてません。

その様な方は、最初から税務署か税理士に相談した方が良いと思います。