会計ソフトを使い始めたばかりのフリーランスの方がよくやる仕訳ミス5選
フリーランス事業や副業を開始されて間もない方々から、
自分で会計ソフトに入力してみたけれど、
何か間違っているような感じなので、
帳簿をチェックしてほしいという単発の依頼をよく頂きます。
それらをチェックした中で、フリーランス等の方々が
よくやってしまう入力ミスについて紹介してみたいと思います。
目次
1.借入金を経費にしている
金融機関からの借入金ですが返済時に、
利子を含めた借入金額をまとめて支払手数料などの
経費にしている人が多くみられます。
「支払っている=経費」というイメージを持たれていると思われます。
そうであれば、借入金が入金されたときに「入金=収益」として
計上しているのかというと、それはしていないので不思議です。
2.所得税、住民税、社会保険料を経費にしている
税金でも経費になるものと、ならないものがあるのですが、
全て経費にされている方が多くいらっしゃいます。
わたしも会計事務所の新人だった頃、事業税を経費に入れてなくて怒られたことが
ありましたので、「そんな細かいこと分かるか!」というお気持ちはよく分かります。
さらに納税者自身の社会保険料ですが、社会保険税などともいわれてるせいか、
租税公課として経費にされている方もいらっしゃいます。
自分の社会保険料は、経費としてではなく、所得控除の方に入れるんですよ
というと納得して頂けます。
3.10万円以上の消耗品を消耗品費にしている
パソコンなどの消耗品ですが、10万円以上で購入したものも消耗品費としている人が殆どです。
その理由は、消耗品だから言葉どおり消耗品費にしたのだと思います。
それでも、自動車を購入した場合は、車両運搬具として
ちゃんと資産計上されているので、そこは凄いなぁと思います。
4.売上や仕入を入金時に計上している
売上を代金が入金された日に計上する方が多くいらっしゃいます。
期中であれば、入金時に売上計上(現金主義)しても差し支えありませんが、
期末にはきちんと、物を引き渡した日やサービスが完了した日(発生主義)で
調整しなければなりません。そこを気を付けないと期ズレして売上漏れになったりします。
また、入金時に売上計上している人の殆どは、仕入に関しても支払時に計上されています。
なお、お客様には、月別の損益を適正に比較できるように、
期中であっても発生主義で計上することをお勧めしています。
5.現金残高がマイナスになっている、預金残高が合っていない
先ずは、現金ですが、現金は物理的にマイナスになることはありません。
それでも、現金勘定の残高がマイナスになっていることがよくあります。
手許に現金がなければ0円となるので、△20,000円が手許にあるとはならないのですが…。
マイナスになる原因の多くは、現金で支払った取引は会計ソフトに入力するけれど、
現金補充の取引は入力しないからです。
このようなミスを防ぐために、
現金商売でないお客様には、現金勘定は使わずに事業主勘定を使うことを
お勧めしています。(その場合、事業主勘定って何?からスタートすることが多いです)
次に、普通預金勘定が通帳の残高と合っていないケースです。
合わない主な原因は、「合わすものだと思っていない」からです。
通帳に記帳されている取引のうち事業と関係がない取引は、「入力しなかった、無視した」
りしているので合いません。
まとめ
今回は、フリーランス等の方々がよくやる仕訳ミスを紹介しました。
事業を開始してから長い間、自己流で会計処理されてきたお客様は
間違っていた仕訳を修正することに抵抗を感じたり、
またその修正数が多くて嫌になったりします。
ですから、会計処理に不安を感じている方は、早めにご相談されることと、
会計の基礎知識を身に付けるために日商簿記3級の取得をお勧めしています。
編集後記
金曜日のお昼に友人とゴーゴーカレーを食べに行きました。
入り口のゴリラの看板は不気味ですし、
決してオシャレな店ではありませんが
味はおいしくて、癖になります。