自分の考え方の癖・ゆがみに気づくVol.2

前回のブログでは、心理カウンセリングの認知行動療法で

人間には10種類の思考の癖や歪みがあるとして、

そのうちの3つを紹介させて頂きました。

今回はそのうち別の4つを説明させて頂きます。

4.マイナス化思考

自分の長所や才能を大したことはないと固く信じる思考の癖をいいます。

前回説明した「3.心のフィルター」と混同しやすいですが、

「心のフィルター」思考の場合は、自分の短所やマイナスのことばかり考えて、

長所やプラスのことを考えない癖をいいます。

一方、この「マイナス化思考」は、自分には長所や才能があることを一応認め

ますが、それは些細なものであると低く評価してしまいます。

例えば税理士試験に受かった場合、「10人に1人は受かるから大したことない」と

自分を軽くあしらう態度をいいます。

この思考の歪みが無い人は、「10人に1人しか受からない試験に受かった!」と

自分の努力や才能を認めます。

「コップに半分しか水が残っていないと考えるか、半分も残っていると考えるか」

の話と同じです。

5.結論への飛躍

この思考の癖は、1つの出来事に対してその理由や結論を証拠もなく勝手に決めつけます。

この思考には2つのタイプがあって、

①心の読みすぎ:他人の言動に対して、自分を拒否したり嫌っていると思い込みます
②先読みの誤り:一定の出来事が起こると、その後に何か悪いことが起きると予言します。

上記①のタイプの例をいうと、仕事場で同僚に挨拶しても返事がないときに、

「わたしを嫌っているんだわ」と決めつけてしまいます。

挨拶された同僚は、もしかしたら家庭で嫌な事があって、そのことで頭が一杯になって

挨拶をし返す余裕や気力がなかったのかもしれません。

しかし、この「結論の飛躍」の癖を持っている人は、そういった可能性を認めません。

次の②のタイプの例でよくあるのは、黒い猫が自分の前を横切ったから、

これから何か嫌なことが起こると予感することが挙げられます。

過大評価/過小評価

この思考の癖は、文字のままなのですが、度を越えて、ものごとを評価します。

上記でも説明しました「4.マイナス化思考」と、この「過小評価」は

同じと考えていいと思います。

なお、多くの場合、他人のことは過大評価して、自分のことは過小評価する傾向があります。

よく言う、「隣の芝生は青く見える」です。

感情的決めつけ

「自分が失敗者と感じるから、本当に失敗者なんだ!」と感情と現実世界は同じだ

という思考の癖です。

わたしの例で言わせて頂くと、朝目覚めて気分が悪いときは、「この世は悪夢だ」

と本当に思ってしまうことがあります。

逆に自分の感情が高揚しているときは、「この世は希望や可能性に満ちている」と

考えます。

しかし現実の世界は、一個人の感情で悪夢の世界になったり、希望の世界に変わっ

たりはしません。

編集後記

税理士のブログなのに、なぜ心理学のネタなのだ?と自分でも考えてしまい

ましたが、自分が過去に好きな事として学んだことを忘れたくない気持ちから

だと思います。

税理士の勉強も好きなのですが、それが仕事となると好きだとか嫌いだとか

いう次元の話ではなくなってしまい、そこから離れたいという気持ちがどこかに

あるのかもしれません…

野球のイチロー選手は少年時代は野球が大好きでしたが、プロになると毎日が必死で

その好きという感情はどこかにいってしまったと話していたような…。

<参考文献>”when panic attacks:THE NEW, DRUG-FREE ANXIETY THERAPY THAT CAN CHANGE YOUR LIFE” by David Burns(2006)