税理士が行う国税局確定申告電話相談センターでの仕事とは

もう今年の募集(通常11月頃)は終わってしまいましたが、新しく税理士になられた方で、確定申告の電話相談員をやってみようかどうか迷われている方は、このブログ記事を参考にして頂ければと思います。

概要

1月10日頃~3月の確定申告期限までの期間に、国税局では納税者向けに所得税確定申告の無料電話相談センターを設けています。

確定申告時期は、納税者から相談の電話が殺到するので、税務職員のみではスムーズな対応が困難となるため、税理士会経由で税理士が電話相談員として派遣されます。

わたしの場合は、開業1年目で自分の事務所の仕事に余裕があり(暇?!)、また今までの自分の確定申告業務の経験が、不特定多数の納税者にどれだけ通用するのか、実力試しとしてもよい機会だと思い参加してみました(日給も高めなところも魅力的です)。

参加する税理士

わたしがこの電話相談に従事する前の予想では、税理士として開業して間もない新人税理士が大半を占めるのだろうと思ってました。

しかし、実態としては自分の事務所業務は、もう次の世代に引き継いで、一線から身を引かれたとみられるご高齢のベテラン税理士の方々が多く見受けられます。

業務時間

業務時間は、9:00~17:15までで、昼休みが1時間と15分の休憩が3回あります。

相談の電話は受話器を置くと、次の電話がすぐに鳴るので、昼休みと休憩時間以外は一息もできす、通話記録を書く時間以外は常に相談業務を行う状態と思ってください。

ですから、慣れるまでは精神的にかなり消耗します。

なお、スーパー税理士の方ですと1日で90人位の納税者に対応されるみたいです(わたしの場合はその半分位しか対応できてませんが…)。

主な相談内容

わたしが受けた相談で多かったもののベスト5は以下の通りでした。
相談の7割程がこのベスト5に入ります。

  1. 医療費控除
  2. 配偶者控除
  3. 住宅ローン控除
  4. 株の譲渡や配当等所得の申告方法について
  5. 確定申告書等作成コーナーの操作方法 *難解で対応できない操作方法は、e-taxヘルプデスクへ転送

上記の相談が大半であることから、これらについての法令、通達、国税庁HP「よくある質問」、マニュアル等を事前に確認しておけば、スムーズに対応できます。

また、納税者の方々は、税務署の手引書を読んでも分からないので電話をされる方も多く、確定申告書(AとB)の手引きと上記のベスト5のそれぞれ個別の手引書は前もって読んでおいた方が良いかと思われます。

相談対応のコツ

確定申告の時期は電話が殺到してつながりにくく、納税者の中には、かなり長い間待たされる方も多いようで、心の中でイライラされてます。

ですから、納税者の方と電話がつながってからは、質問に対してあまり待たせないことが、相手のイライラを増幅させず、苦情に発展しないためのコツと言えます。

そのため、質問に対して回答に時間が掛かりそうであれば、一旦電話を切って、折り返し電話をする選択肢もあるので、それぞれの納税者に合わせて柔軟に対応できればと思います。

どうしても対応できない場合

知識豊富な税理士であっても、質問に対してどうしても白黒はっきり回答できないことがあります。

じっくり時間を掛ければ回答まで導き出せるかもしれませんが、納税者としては出来るだけ早く回答がほしいものです。

よって、わたしの場合は、自分で5分掛けても回答までたどり着けないときは、センターで待機されている専門職員の方々に相談します。

また、その専門職員の方々も、そういう税理士の相談を受けるために待機してので、それを使わない手はありません。

まとめ

国税局の確定申告電話相談センターでの税理士の仕事内容について書かせてい頂きました。

わたしの場合、具体的な仕事内容がよく分からないまま、参加を決定しました(参加決定後に、税理士会による説明会はありますが…)。

参加を決めてからも、7時間近くぶっ続けで税務相談に対応することが自分にできるのか、とても心配でした。

しかし、やってみるとあっという間に時間は過ぎますし、また相談内容について即答できない場合でも、待機している税務職員の方々がサポートしてくれます。

ですから、確定申告業務の経験が少ない税理士の方でも十分こなせると思います。