アメリカ大学院卒業、そして帰国

1.卒業後の選択

 私は、アメリカのMSW(Master of Social Work)の資格を取得し、心理カウンセラーになれたのです
が、日本では、当時心理カウンセラーになるための国家資格はありませんでした。ですから、日本でMSWの資格があるから就職に絶対に有利になるとは限りません。

 よって、アメリカで就労ビザを取得し、卒業後は現地で働くことも選択肢としてあったのですが、①財政難のカリフォルニア州では、病院や福祉施設に対する補助金等を削減する傾向にあり、それに伴い病院や施設ではソーシャルワーカーやカウンセラーの雇用を渋るようになっていた。また、②私は留学前から、資格取得後は日本人を対象とするカウンセラーとして働きたいという考えがあったこと、③長年の海外生活に疲れ日本が恋しくなったこともあり帰国することにしました。

2.帰国、そして就活

 日本に帰国して、早速、病院やカウンセリング施設への就職活動を始めました。
 病院ではソーシャルワーカーとしての働き口はありましたが、心理カウンセラーとして募集しているところは見つけられませんでした。

 また、民間のカウンセリング施設では、正社員として雇うところは少なく就職に至りませんでした。日本で心理カウンセラーとして就職及び生活していくことが難しい現実に直面し、挫折してしまいました。

3.回りまわって税理士の道へ

 カウンセラーになる夢も破れ途方に暮れていたのですが、カウンセラーの他に自分がやりたい個人事業で生活していけるものはないかと、英語講師やクリーニング店のバイト、さらに整体師のスクールに通ったりしましたが、長くは続きませんでした。

 そんなとき、大学時代の友人がバイトをしながら、税理士を目指して専門学校に通っていることを知りました。早速その学校の授業見学をさせてもらい、その後、税理士講座のパンフレットを読みました。
 
 そこでの掲載には、税理士は個人事業として独立開業している人が多く、収入面でも安定していることなど書かれてました。さらに合格体験記に乗っている合格者は2年から3年の勉強で税理士になれた人ばかりでしたので、2、3年の我慢なら「自分もチャレンジしてみよう!」となったのでした…。これが私が税理士の道へ進む第一歩でした。

4.まとめ

 心理カウンセラーになるために5年弱アメリカへ留学し、その後帰国しましたが、その夢も破れ時間もお金も無駄にしてしまいました。その後、偶然か運命か税理士の道へ方向転換することとなるのでした。