フリーランスの年収1千万円は手取り0円かもしれない!。

1.フリーランスの年収とは

 フリーランスや個人事業主が稼いだお金は、事業所得に該当し、その年収とは該当年の1月1日から12月31日までの期間に得た売上高のことです。そして売上高から経費を引いた金額が所得(利益)であり、この所得から税金を差し引いた金額が手取りとなります。

 したがって、フリーランスの人から「俺の年収1千万円!」と聞いても、経費が1千万円以上であれば、手取りは0円となるので、この人「稼いでる!」と判断してはいけません。そのフリーランスの人がどれだけ稼いでいるか確認するためには、「所得はいくらですか?」とか、「手取りでどのくらいですか」と聞いてみないと実態は分かりません。

2.サラリーマンの年収とは

 サラリーマンが会社で稼いだお金は、給与所得といって、その年収とは給与の総支給額のことをいいます。総支給額とは、手取り額から差し引かれた社会保険料や税金などのすべてを戻した金額のことです。なお、サラリーマンから「俺の年収1千万円!」と聞けば、手取り額は大体700万円程かなぁと分かります(扶養親族の人数などにより手取りが変わります)。フリーランスのように手取り額0円ということはありません。

3.私の苦い経験

 私もフリーランスの「年収」という用語で、勘違いをした苦い経験があります。それは税理士試験の専門学校のパンフレットを読んだ時のことでした。そこには「開業税理士の平均年収は1千万円を超えている!」というような記事が書かれていました。当時独立開業して食べていける職種を探していた私は、こんなに稼げる税理士業なら、自分も目指してみよう!となりました。
 しかし、税理士の勉強をしていく過程で、フリーランスである開業税理士の年収は、手取り額ではないことを知ってしまいました。
 例えば、ある税理士の年収が1千万円で利益率が40%とすれば、所得は4百万円です。この所得であれば、サラリーマンの平均年収とあまり変わらないことになるのです。

4.まとめ

 最近、税理士を目指す若者が急激に減少しているのは、このフリーランスの「年収」の用語の意味を理解している賢い若者が増えているからかもしれません…。冗談です。

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